建設業の労災リスク軽減や従業員の健康確保を目的として、「職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」が新設されました。勤務終了から次の勤務開始まで一定の休息時間を設けることで、従業員のワーク・ライフ・バランスを改善し、過重労働を防止します。本助成金は、導入に要する費用の一部を補助するため、建設業界でも労働環境改善に活用できる制度です。具体的な要件や支給額、申請手続きについて解説します。
勤務間インターバルとは?
勤務間インターバルとは、従業員の終業後から次の始業までに一定時間以上の休息時間を確保する制度です。特に建設業では長時間労働や過重労働が労災の一因となることが多いため、この制度を導入することで健康被害を防ぎ、安全な職場環境の実現が期待されます。
建設業で対象となる助成金の概要
1. 対象事業主
- 労災保険に適用される中小企業や小規模事業者が対象です。
2. 成果目標
- 全ての事業場で「9時間以上」の勤務間インターバルを導入することが求められます。
- 対象範囲の拡大や休息時間の延長も助成対象となります。
助成金の支給対象となる取り組み
以下のいずれかの取り組みを実施することで助成金の対象となります:
- 就業規則や労使協定の作成・変更
- 労務管理担当者や従業員への研修、周知活動
- 外部専門家によるコンサルティングの活用
- 労務管理用ソフトウェアや機器の導入・更新
- 勤務間インターバル導入に必要な機器の購入や更新
これらの活動は、建設現場での労災防止や労務管理の効率化に直結するため、特に重要です。
支給額と条件
支給額は以下の通り:
- 休息時間が9時間以上11時間未満の場合
- 新規導入:上限40万円
- 適用範囲の拡大・時間延長:上限20万円
- 休息時間が11時間以上の場合
- 新規導入:上限50万円
- 適用範囲の拡大・時間延長:上限25万円
支給対象となる経費の3/4以内が助成されます。
労災防止と建設業へのメリット
1. 労災リスクの軽減
十分な休息時間を確保することで、従業員の疲労を軽減し、作業時の安全性を向上させます。
2. ワーク・ライフ・バランスの改善
長時間労働を是正し、従業員の健康を守ることで、働きやすい職場環境を実現します。
3. 助成金で導入費用を軽減
導入に必要な初期コストの一部を助成金で補助することで、負担を抑えて制度を導入できます。
申請の注意点
- 申請書を提出後、事業実施承認を受けてから取り組みを開始する必要があります。
- 事前に取り組みを始めると助成金対象外となるため、注意が必要です。
- 最新情報は都道府県労働局の雇用環境・均等部で確認してください。
まとめ:建設業で勤務間インターバル助成金を活用しよう
建設業界での労災リスク軽減や労働環境改善を目指すには、勤務間インターバル制度の導入が有効です。この助成金を活用することで、従業員の健康を守り、持続可能な働き方改革を進めることができます。申請期限を守り、早めの準備を進めて制度を活用しましょう。
詳細は、厚生労働省の公式ウェブサイトや各都道府県労働局でご確認ください。