建設業許可証の看板(標識)は、信頼を得るために重要ですが、看板の必要性、仕様などについて詳しく解説します。
建設業許可証とは
建設業許可証とは、一定規模以上の建設工事を請け負う業者が、国交省や都道府県から正式に許可を受けた証明書のことです。
建設業法に基づき、建設業を営むために必要な許可を受けたことを証明するものです。許可証は、国土交通大臣または都道府県知事によって交付されて建設業の種類や許可を受けた事業者の情報が記載されています。
建設業法に基づいて、500万円以上(建築一式工事は1500万円以上)の工事を請け負う場合には、取得する必要があります。許可証には、許可番号や許可を受けた業種などが記載されます。
建設業許可を受けることで、一定規模以上の建設工事を請け負うことができるようになり、公共工事への入札資格を得ることも可能になります。許可を受けていることは、技術力や経営能力が一定水準以上であることを示すため、社会的な信用にも繋がります。

建設業許可証の必要性
建設業許可を取得した事業者は、許可証を事務所内の見やすい場所に掲示する義務があります(建設業法第40条)。
取引先や顧客に対して、許可を受けた正式な事業者であることを示して信頼性を高めるためにも必要です。
建設工事の発注者や近隣住民が、その工事を請け負っている業者が適切な許可を受けているかどうかを確認できるようにするための措置です。
無許可の業者による違法な工事を防ぎ、建設業界の健全な発展を促すという目的があります。
この看板の掲示を怠った場合、10万円以下の過料が科せられる可能性がありますので、必ず掲示するようにします。
建設業許可証の仕様
建設業許可証の看板には、建設業法に基づいた以下の情報を記載する必要があります。
記載内容
建設業の許可を受けた種別(特定建設業、一般建設業)
許可を受けた建設業の種類(土木工事業、建築工事業、電気工事業など)
許可番号(国土交通大臣許可 第〇〇号、〇〇県知事許可 第〇〇号)
許可年月日
商号または名称
代表者の氏名
主任技術者または監理技術者の氏名(工事現場の看板の場合)
建設業監理技術者とは、建設工事の現場で施工の技術上の管理や監督を行う技術者のことです。
看板のサイズ
縦25cm × 横35cm 以上のサイズで掲示することとされています。
事務所の看板
縦:35cm以上
横:40cm以上
工事現場の看板
縦:25cm以上
横:35cm以上
建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号)が改正されて建設工事の現場に掲げる大きさは「縦40㎝以上×横40㎝以上」から「縦25㎝以上×横35㎝以上」に改められています。
材質・表示方法
看板の材質は、特に定めはありませんが、雨風に強くて長期間掲示できる耐久性のある素材を選ぶことが望ましいです。
表示方法も、記載事項が鮮明に表示され、容易に判読できる方法であれば問題ありません。
掲示場所
看板は、事務所の見やすい場所に掲示しなければなりません。例えば、受付や玄関やエントランス付近が適しています。施工現場や事務所など、人目に付きやすい場所に設置する必要があります。
おしゃれな看板
許可証の看板は法律で定められた情報を記載する義務がありますが、デザインについては厳格な規則はありません。おしゃれな看板にすることもできます。
法律で定められた記載事項やサイズ、表示方法を満たしていれば、おしゃれなデザインの看板であっても基本的には問題ありません。おしゃれなデザインであっても、法定基準(記載内容やサイズ)を必ず守る必要があります。
ただし、デザイン性を重視するあまり、必要な情報が読みにくくなってしまっては問題になる場合もあります。
また、公序良俗に反する内容でないことも必要です。社会通念上不適切な表現やデザインはやめたほうがよいでしょう。
デザイン
・木製プレートや金属製プレートを使用し、洗練されたデザインにする。
・書体をシンプルで見やすいフォントにする。
・会社のロゴやブランドカラーを取り入れる。
おしゃれなデザインが視認性を損なうことのないように、配色やフォントの選び方には注意を払いましょう。
素材
・ステンレス製プレート(高級感があり、耐久性が高い)
・アクリル製プレート(軽量で、透明感のあるスタイリッシュなデザインが可能)
・木製プレート(温かみがあり、ナチュラルな雰囲気を演出)
高品質な素材を使用することで耐久性を向上させ、長期間使用可能な看板を作成することができます。
デジタル看板
電子ディスプレイを使って許可証情報を表示する企業もあります。画面上に建設業許可証の情報を表示して、あわせて会社のPRなどを映し出すこともできます。
注意点
必要な情報が正しく記載されていれば、デザインは問われませんが、文字が小さすぎたり、読みづらいフォントを使うのは止めておいたほうがよいでしょう。
看板を省略したり、記載内容を変更することは違法になる可能性があるため、基本のルールを守ることが重要です。
建設業許可証の看板は法律上の義務ですが、デザインを工夫することで会社のブランドイメージを高めることもできます。
おしゃれであって、法律に則った看板であれば、会社の信頼性と企業イメージの向上につなげることもできます。