時々、相談というか、聞く話で、決算月によって税務調査が来る確率が違うという話があります。都市伝説風な話ですが、決算月によって税務調査が来やすいとか来ることが少ないというわけです。
しかし、そもそも11月決算や1月決算の会社は少なく、数が少ないので調査に入られることが少ないと感じているだけと思われます。それでは、詳しく解説します。
11月・1月決算は少数派?
日本の法人の決算月は3月決算がかなり多くて、全体の約3割以上となっています。次に12月決算、9月決算などが多くて、11月や1月に決算がある法人は全体の中でもかなり少数です。
11月や1月は母数が少ないために「11月決算や1月決算の会社が税務調査を受けた」という話は少ないのは事実です。
国税庁(平成28年度)のデータによると、年1回決算のある法人において、3月決算が最も多くて全体の約19.1%を占めているとなっています。9月や12月の決算の会社も比較的多くて、これに対して11月決算や1月決算はかなり少ないです。
平成の国税庁統計では、11月決算法人の数は1,296社、1月決算法人は1,795社であるとされています。これに対して、その10倍以上で3月決算は19,634社です。

決算月が調査対象の有無に影響するのか?
決算月が一般の決算月と離れているので税務調査が入りにくいというのは、ちょっと違います。実際には決算月は税務調査の選定基準とは関係がありません。
- 税務調査に入るかどうかは、次の要因などで判断されます。
- 売上や利益の推移に不自然な点がないか
- 申告内容に不審な点や誤りがないか
- 同業他社と比べて利益率がどうか、低くないか
- 税務署の資料である法定調書、取引先情報、銀行情報等との照合
- 過去の税務調査で指摘を受けていないか
これらの要因は法人の決算月とは無関係です。11月決算や1月決算だから調査が少ない、税務調査が来ないということはありません。
実務上考えられるその他の違い
税務署から見れば、決算月によるスケジュール的な要因はあります。
3月決算の会社は圧倒的に件数が多いので税務署側も効率よく調査対象を選びやすくなります。11月や1月の決算は件数が少ないので調査日程の調整がやや後回しになりやすいかもしれません。
このことをもって、11月や1月の決算であれば税務調査が来る可能性が低くなるので、11月や1月の決算にしようというのは、少し考えものです。決算を11月や1月にすることで、銀行関係とか、他の手続きに支障がでたり、手間がかかってしまうこともあるかもしれません。
母数が少ないので、結果的に調査件数も少なく見えてるだけで、税務調査が来るときは来ます。

建設業や特定業種における傾向
決算月よりも業種によって来やすい業種もあるようです。
例えば建設業のように現金取引が多い業種や、交際費・外注費が多い業種などは、決算月に関わらず調査対象になりやすい傾向があります。
国税庁の公表資料でも「建設業、小売業、飲食業などは申告漏れ指摘件数が多い」とされており、決算月よりも業種特性と申告内容の方が大きいかもしれません。
しかし、税務調査の対象になりづらいから、業種を変えるわけにもいかないので、日ごろから対策をとっておくべきかと思います。



